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焼付塗装について

本日は屋内の内装下地や建築資材に於いて、美観や装飾を求める際に需要のある焼付塗装について紹介いたします!今回、焼付塗装の会社である『株式会社マルシン』の工場を見学させていただきました。そこで学んだ内容もご紹介していきたいと思います。

2023年9月29日
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焼付塗装について

記事は、建築業界ではまだまだ新参者ライター、S・Kが担当いたします。

出来得る限り隅々まで調べて情報発信をしていきます。

■『株式会社マルシン』のご紹介

社   名:株式会社マルシン

所 在 地 :草加工場兼本社 埼玉県草加市青柳2-11-39

      松伏工場  埼玉県北葛飾郡松伏町田島東1-1(東埼玉テクノポリス内)

設   立 :1966年(昭和41年)10月

代 表 者 :近藤 旭

事業内容:  建築・装飾金物の焼付塗装加工等 (https://kk-marusin.com/

<草加工場 兼 本社>

<松伏工場>

■焼付塗装とは...?

焼付塗装とは、焼付炉で高温の熱を加えることで塗料を硬化させる塗装方法です。実際の建築現場ではなく工場で行い、職人さんが手作業をするか、もしくは機械での塗装にて塗料を素材に吹付けます。

近年では吹付けの機械化も進んでいますが、細かい部分の塗装や調整等、職人さんの手と技術は欠かせないものとなります。また厚みや光沢に関して品質制限がある場合もあり、とても高度な技術が必要となります。

■焼付塗装はどんな素材にできるのか?

焼付塗装は、塗料を硬化させるため、高温の熱を加えます。扱う素材によって耐えることができる温度の幅が異なるため、素材に適した調整が必要となります。

鉄、アルミ、ステンレス、亜鉛ダイキャスト、アルミダイキャスト等の素材は塗装可能である代表的な素材ですが、ABS樹脂、ナイロン、ポリカーボネイト、塩化ビニル、カーボン等は熱に弱いため、焼付塗装に比較的不向きな素材です。

ちなみに弊社の場合、ルーバーに対する塗装事例が多くありますが、それ以外の建築資材だとビルの柱やシャッター、鉄筋バー等、意外と皆様の身近なものがあります。

 

■『株式会社マルシン』のこだわり

-焼付塗装の工程-

工場における焼付塗装は、「前処理(=化成処理)⇒下塗り⇒焼付⇒中塗り⇒上塗り⇒焼付⇒冷却⇒検査」といった工程で製造されます。『株式会社マルシン』より、この一連の中で化成処理の部分がとても重要であるということを今回の見学で教えていただきました。

-化成処理の重要性-

化成処理とは、金属製品を洗浄・脱脂し、薬剤に付けることでその後に控えている塗装(塗料)の付着力を高め、また防錆力を付与するため、塗装前に行う前処理のことです。  しかし、全ての部材に対し行うことができるわけではなく、部材の形状、溶接の方法や補強材など部材同士の重なり合わせによっては化成処理によって部材に錆を発生させてしまうこともあります。 

槽付け(金属製品を薬剤槽に浸すこと)での処理が一般的にはなりますが、化成処理を行う前に塗装する部材に対しても、入荷時に表面の細かい傷をほぼ平(目に見えない程度の凹凸)までならし、表面の重度の錆や酸化被膜を事前に除去するといった研磨作業を行い、また、部分的に錆止めを塗ったりする等、『株式会社マルシン』では、今まで積み上げてきた経験や知識を生かし、丁寧に製造されていました。

化成処理を行うことで、塗料の付着性と  耐候性を長く保つことができるといったメリットもあり、とても大事な工程です。 

■塗料と環境配慮について

-背景-

焼付塗装では一般的に溶剤塗料が使用されます。

しかし、2006年に環境省より「大気汚染防止法」が改正され、法規制と自主的取組を求め、「2010年度までに工場等の固定発生源からのVOC排出総量を2000年度比で3割程度削減することを目標」としました。

その結果、2008年度には、目標である2000年度比で約35%のVOC排出量を削減することができました。本来の目標は達成されていますが、環境配慮という点においては、継続が現在も求められています。 

-VOCとは-

VOCは有機溶剤(シンナーや塗料、印刷インキ)等に含まれるトルエン、キシレン、酢酸エチル等の有機化合物の総称です。これらの有機化合物は、近年発生している光化学オキシダント(光化学スモッグ)や浮遊粒子状物質(SPM)の原因の一つとして挙げられています。

-VOC排出削減 株式会社マルシンの取組み-

VOC排出削減はいくつか方法がありますが、例として、塗料を溶剤塗料から粉体塗料へ切り替えることがあります。粉体塗料には溶剤を含まず、VOC削減に適していると言われています。

海外、特に欧州においては環境保全意識が高く粉体塗料の使用率が高いことに比べ、日本では、コスト的な面や硬化塗膜の表面の美観が溶剤系に比べて若干凹凸があること等、時代の変化に伴い改善されつつあるもののまだ課題が残っているのが現状です。

『株式会社マルシン』は、世界で運用されている「QUALICOAT (粉体塗装を中心とした規格認証システム)」の認証を受けており、近年、プラスチック資源循環促進法等の環境配慮の取り組みが日本にも浸透してきている中で、個人の取り組みもとても重要ですが、企業として何ができるのかということを意識していくのも大切であると感じました。

※「QUALICOAT (粉体塗装を中心とした規格認証システム)」

https://www.qualicoat.net/main/home.html

引用文献

地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター 「VOC排出対策ガイド」

■最後に...

焼付塗装についてご紹介させていただきました。

意識をしてみると皆様の身近な所で使用されている建築資材にも焼付塗装が行われております。見学させていただいた『株式会社マルシン』の工場内では様々な資材が塗装されていました。  記事担当者自身、行ったことのある商業施設にも納入されており、驚きました...! 

この記事を読んだ皆様にとって、「焼付塗装は、建築資材だけではなく、内装下地材にも使用されるということ」、また、「既存の鉄やアルミ製品でも意匠性を持たせ、多様な使い方ができるということ」、そして「業界として環境配慮という点で様々な対策を求められ、企業が誠実な取り組みをしていること」を知っていただく機会になればと思います。

▼ 前回の記事はこちら

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