今回は新製品Revolveクリップについてご紹介いたします。
この業界ではそこそこ経験を積みましたが、まだまだ成長を続ける建築士ライターU.Yが担当いたします。
建築技術の発達に伴い、近年の建築物は多様な形状をしているものが多くなりました。
特に劇場やホールなどは外観・内観共に、昔ながらの真四角・直線的な形状は少なく、曲線や曲面が多く用いられるようになった様に思います。
そんな形状変化を内装下地も大きく受けてきました。
桐井製作所では勾配形状や曲面天井など、様々なご要望にお応えできるよう、ラインアップを増やしてまいりました。
しかしながら、形状が複雑になるほど天井端部の納まりには工夫が必要となり、一般的な納まりと比べると、部材・金具の点数が増えるとともに、施工では知恵・経験値や熟練の技術が必須となっています。
少しでも施工手間や部材点数を減らしたい...!そんな思いにお応えすべく、新規金具「Revolveクリップ」を開発しました。
今回は新製品Revolveクリップについてご紹介いたします。
劇場などでみられる室内形状として扇型があります。
舞台に向かって空間が狭くなっており、シューズボックス型と比較すると観客数を増やすことができる事や、演奏の音圧・帯域バランスが良くなる等のメリットがある室内形状です。
空間が扇型となる場合、天井も同様に扇形となっている場合が多いのですが、この扇形天井の端部納まりが、方形天井と比較すると少し厄介なのです。
扇型天井の納まりを例に、Revolveクリップの性能を説明いたします。
まず前提として、軽量鉄骨下地天井の一般的な仕様では、野縁・野縁受けは直角でなければクリップをしっかりと留め付けることができず、安全性の高い天井を施工できません。
方形の天井では、野縁受け・野縁の部材を縦横それぞれの寸法とすれば、問題なく組み付けることができます。(①の図参照)
扇形の天井の場合は、扇形の両端(斜め部分)の取り合いを納める、短い部材を組み合わせる方法や、斜めの部分に合わせて材を平行に設置する方法などがあります。
この場合、端部部材の施工状況に応じて吊り材・吊元(インサート)を増す必要があり、事前に施工方法を検討する必要があるなど、多くの手間・費用が発生していました。
上記のような状況を改善するために開発されたのが、「Revolveクリップ」です。
クリップの下側円形となっているため、野縁の角度を自由に設置することができます。
Revolveクリップを使って先ほどの扇形天井を施工すると、以下の様な納まりとできます。
クリップが回転するため、形状に応じた部材や吊元を多数用意することなく、納めることが可能です。
クリップ上部のボルトを締め込むまでは位置を移動することができるので、微調整も可能です。
このRevolveクリップ、上記のような斜めの部分以外にも円柱の納まりなどにも活用できるなど、様々な端部の施工手間を軽減できる優秀なクリップです。Revolveクリップの種類としてはC38用とC40用の2種類があります。
Revolveクリップは2024年5月以降順次販売予定です。
詳細は桐井製作所のHPならびに開発部Twitterにてお知らせしますので、販売開始までもう少々待ちください!!
まとめ
・桐井製作所から新製品「Revolveクリップ」が発売予定
・クリップ下部で、野縁が水平に回転するため、野縁受けと野縁の角度を自由に変更可能
・Revolveクリップ扇型の天井や、円柱部等の開口部の納まりにも活用できる