天井・壁・床の裏側から建物を考える

こんなクリップを待っていた!【新製品】Revolve(リボルブ)クリップのご紹介

少しでも施工手間や部材点数を減らしたい...! そんな思いにお応えすべく、新規金具「Revolveクリップ」を開発しました。 

2024年4月11日
記事タグ
こんなクリップを待っていた!【新製品】Revolve(リボルブ)クリップのご紹介

今回は新製品Revolveクリップについてご紹介いたします。

この業界ではそこそこ経験を積みましたが、まだまだ成長を続ける建築士ライターU.Yが担当いたします。

建築技術の発達に伴い、近年の建築物は多様な形状をしているものが多くなりました。
特に劇場やホールなどは外観・内観共に、昔ながらの真四角・直線的な形状は少なく、曲線や曲面が多く用いられるようになった様に思います。

そんな形状変化を内装下地も大きく受けてきました。
桐井製作所では勾配形状や曲面天井など、様々なご要望にお応えできるよう、ラインアップを増やしてまいりました。
しかしながら、形状が複雑になるほど天井端部の納まりには工夫が必要となり、一般的な納まりと比べると、部材・金具の点数が増えるとともに、施工では知恵・経験値や熟練の技術が必須となっています。

少しでも施工手間や部材点数を減らしたい...!そんな思いにお応えすべく、新規金具「Revolveクリップ」を開発しました。
今回は新製品Revolveクリップについてご紹介いたします。

新製品「Revolveクリップ」

劇場などでみられる室内形状として扇型があります。
舞台に向かって空間が狭くなっており、シューズボックス型と比較すると観客数を増やすことができる事や、演奏の音圧・帯域バランスが良くなる等のメリットがある室内形状です。

空間が扇型となる場合、天井も同様に扇形となっている場合が多いのですが、この扇形天井の端部納まりが、方形天井と比較すると少し厄介なのです。
扇型天井の納まりを例に、Revolveクリップの性能を説明いたします。

ホールや劇場の空間形状の一例
ホールや劇場の空間形状の一例

まず前提として、軽量鉄骨下地天井の一般的な仕様では、野縁・野縁受けは直角でなければクリップをしっかりと留め付けることができず、安全性の高い天井を施工できません
方形の天井では、野縁受け・野縁の部材を縦横それぞれの寸法とすれば、問題なく組み付けることができます。(①の図参照)

方形天井 軽量下地の端部納まり例

扇形の天井の場合は、扇形の両端(斜め部分)の取り合いを納める、短い部材を組み合わせる方法や、斜めの部分に合わせて材を平行に設置する方法などがあります。
この場合、端部部材の施工状況に応じて吊り材・吊元(インサート)を増す必要があり、事前に施工方法を検討する必要があるなど、多くの手間・費用が発生していました。

扇形天井 軽量下地の端部納まり例

上記のような状況を改善するために開発されたのが、「Revolveクリップ」です。
クリップの下側円形となっているため、野縁の角度を自由に設置することができます。

リボルブクリップ写真

Revolveクリップを使って先ほどの扇形天井を施工すると、以下の様な納まりとできます。
クリップが回転するため、形状に応じた部材や吊元を多数用意することなく、納めることが可能です。
クリップ上部のボルトを締め込むまでは位置を移動することができるので、微調整も可能です。

Revolveクリップを用いた端部納まり例

このRevolveクリップ、上記のような斜めの部分以外にも円柱の納まりなどにも活用できるなど、様々な端部の施工手間を軽減できる優秀なクリップです。Revolveクリップの種類としてはC38用とC40用の2種類があります。
Revolveクリップは2024年5月以降順次販売予定です。
詳細は桐井製作所のHPならびに開発部Twitterにてお知らせしますので、販売開始までもう少々待ちください!!

まとめ

・桐井製作所から新製品「Revolveクリップ」が発売予定
・クリップ下部で、野縁が水平に回転するため、野縁受けと野縁の角度を自由に変更可能
・Revolveクリップ扇型の天井や、円柱部等の開口部の納まりにも活用できる

桐井製作所 メールマガジン

よくあるQ&Aをもとに、
内装下地の設計・施工に役立つ情報をお届け!

注目記事

東京大学(駒場Ⅰ)数理科学研究科

大講義室(東京都目黒区)

東京大学の駒場Ⅰキャンパスの一角にある大講義室です。 約300名を収容する大講義室は学生の講義の...

【動画鋼製床 GTフロアー スタンダードタイプの施工手順(ベトナム語版ver.) / Quy trình tiêu chuẩn thi công sàn thép GT floor standard type

GTフロアースタンダードタイプの施工手順をベトナム語でご紹介します

建物の床仕上げをつくる工法の一つに、鋼製床があります。 住居に比べて大きい荷重がかかる、体育館や商業...

建物の【断熱】方法とは?ヒートブリッジ対策にもなる壁下地

建物の断熱方法について、「断熱材」を使った実験を交えて詳しくご紹介します

室内や車の断熱性を高めるために、天井・壁下地のDIYに挑戦される方も多いのではないでしょうか。施工方...

こんなクリップを待っていた!【新製品】Revolve(リボルブ)クリップのご紹介

少しでも施工手間や部材点数を減らしたい...! そんな思いにお応えすべく、新規金具「Revolveクリップ」を開発しました。 

今回は新製品Revolveクリップについてご紹介いたします。この業界ではそこそこ経験を積みましたが、...

お役立ちツール登録

閲覧・印刷・配布に便利なA4サイズ!お役立ち資料をダウンロード

桐井製作所 開発部 SNS情報

桐井製作所 開発部

身近にあるけどあまり知らない、天井・壁・床の施工・設計に関する各種法令や技術情報についてお届けしていきます。