観劇や式典など、さまざまな目的で活用される文化ホールや講堂。
私たちの生活の身近にあるこれらの施設について、天井の安全性は確保されているのでしょうか?
本特集では、文化ホール・講堂の天井に求められる耐震対策について全3回に分けてご紹介します。
「既存不適格」の可能性も?
求められる天井の耐震対策
下図の要件に当てはまる天井は「特定天井」に該当し、国土交通省告示第771号に規定された方法での設計が必要になります。
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平成26年4月(2014年)以前に着工されたホールの天井は「既存不適格」の可能性があり、今後一定規模以上の増改築等を行う場合には、天井についても現行法に合った改修が求められます。
緩和措置を受ける方法もありますが、不測の事故を防ぐためにできる限り早い天井の耐震化が望まれます。
耐震診断で発見された
天井崩落につながる危険性
音響や意匠性を高めるために設計・施工されたホールの天井は、一般的な部屋の天井に比べて重量のある材料で構成されているケースがほとんどです。
実際に天井の耐震診断が行われたケースでは、天井を構成するパーツに以下のような変形・損傷等が発見されています。
写真提供:日本耐震天井施工協同組合(JACCA)
定期的な点検や適切な維持管理が行われていないと、老朽化や地震をきっかけに突如として天井が落下してくる恐れがあります。
天井崩落につながる危険性 まとめ
建築時には適法に建てられていたとしても、点検・維持管理が適切に行われていない天井には、崩落につながる危険性が潜んでいます。
人命に関わる事態を防ぐために、天井の耐震対策を検討しましょう。
次の記事では、文化ホール・講堂の天井に最適な「準構造耐震天井」について詳しくご紹介します。
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