壁に石材を取り入れると、まるでホテルのような高級感や重厚感が演出されます。
部屋の一部にアクセントウォールとして、石張り仕上げのDIYに挑戦する方も多いのではないでしょうか。
今回は内装の壁を石張りで施工する方法と、軽量鉄骨下地を使用する特徴をご紹介します。
壁を石張りで仕上げるには?
施工方法と特徴
内装の壁を石張りで仕上げるには、仕上げ材など現場の状況に応じてさまざまな方法がありますが、ここでは以下の2つをご紹介します。
施工方法1.金物を用いて施工する方法(半湿式、乾式空積工法)
重さのある石材で仕上げる場合は、金物を用いて施工します。
石材の小口面に金物を入れる穴を設けます。穴の部分で石が割れてしまわないよう、石材に一定以上の厚みをもたせる必要があります。
特徴
・厚く、重さのある石材を仕上げに使用できる
・接着剤なしで取り付けができる
・石材に対し垂直方向の荷重がかかるため、壁の高さは3~4mに制限される
・3~4m以上の高さにするには、荷重を受けるための鉄骨材を追加する工事が必要になる
施工の手順
1.コンクリート躯体に石の割り付けを墨出しする
2.躯体にあと施工アンカーを打ち込み、引き金物で石材を固定する
3.取付モルタルを充填する
施工方法2.軽量鉄骨材(LGS)を用いて施工する方法
石の加工技術が発展したことで重量が抑えられ、タイルのように接着して仕上げることが可能になりました。
軽量鉄骨下地にケイカル板を張り、接着剤で石材を固定していきます。
特徴
・金物やモルタルの取り付けが不要のため、施工性に優れる
・断面性能 の大きい軽量鉄骨材を用いると、5m以上の高い壁でも施工可能→鉄骨を追加する工期とコストを削減できる
・厚みや重量があり、接着で十分に固定できない石材の施工には適さない
施工の手順
1.軽量鉄骨壁下地(SQ-PowerBAR)を施工する
2.ケイカル板等の下地板材を軽量鉄骨壁下地にビスで固定する
3.石材をケイカル板等に接着剤で固定する
石張りの壁の安全性を高めるには?
断面性能の大きい軽量鉄骨材を活用
壁が高くなると、地震時の揺れで石が割れたり剥がれたりする恐れがあります。
石材は硬く、石膏ボードに比べ柔軟性がありません。
石の割れや剥がれを防ぐには、許容するたわみを最低でも1/200、できれば1/300より小さくなるよう計画することが求められます。
▼ 壁の「たわみ」について詳しくはこちら
安全性の高い石張り仕上げの壁を計画するには、石材の重さや壁の高さに応じて強度計算を行うことが大切です。
以下は下地材の違いにより、地震発生時に壁にどのくらいのたわみが発生するかを計算する例です。
『JISスタッド(WS-100)』と、断面性能の大きい『SQ-PowerBar』(㈱桐井製作所製)の強度を比較します。
壁の強度計算例
以上から、たわみが1/200以下となるSQ-PowerBar45100(1.2)を壁下地に使用することが望ましいといえます。
断面性能の大きい軽量鉄骨材を用いると、石張り仕上げの壁の安全性をより高められることがわかります。
またSQ-PowerBarは5m以上の高い壁の計画にも対応しています。
「施工方法1. 金物を用いて施工する方法」と比べて工期やコストを削減しつつ、高級感のある石張り仕上げを実現することができます。
▼詳しい製品情報はこちら
振れ止め付き鋼製角型スタッド『SQ-PowerBar』(桐井製作所)
まとめ
安全性の高い石張り壁を計画しましょう
石張り仕上げの壁を施工する2つの方法と、それぞれの特徴についてご紹介しました。
使用する石材などに応じて他にもさまざまな施工方法がありますが、強度計算を行い、安全性の高い壁を計画しましょう。
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