キッセイ文化ホールは1992年に開館した、地域最大規模の多目的ホールです。
世界的に有名なクラシック音楽祭「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」(旧 サイトウ・キネン・フェスティバル)のメイン会場として知られるほか、さまざまな舞台芸能や式典に利用されています。
開館から28年を経て、地震時の天井落下防止対策を主な目的に、約10ヶ月間におよぶ大規模改修工事が行われました。
大規模耐震改修工事が行われたキッセイ文化ホール
大ホールには2000席の客席が配置されています。
天井が特定天井に該当することから、KIRIIアングルクランプを用いた準構造耐震天井へと改修されました。
改修でKIRIIアングルクランプが採用された大ホールの天井
音響特性がなるべく変わらないよう配慮し、改修前の天井形状が再現されました。
複雑な天井形状を再現し音響特性を保持
KIRIIアングルクランプで構成された大ホールの天井裏
エントランスホールの天井も特定天井に該当することから、新耐震Full Power天井と準構造耐震天井 アジャストソエルの2工法を組み合わせて改修が行われました。
広々としたエントランスホールの天井も特定天井に該当
新耐震Full Power天井とアジャストソエルを組み合わせて改修された天井
キッセイ文化ホールには大ホールのほか、移動観覧席を備えた中ホールや同時通訳設備のある国際会議室、大小2つずつの会議室が設けられています。
このうち国際会議室は、山形のデザインをした天井が印象的です。
山形の天井が特徴的な国際会議室
この形状を継承するため、改修工事では落下低減天井が採用され、天井の脱落防止対策が施されました。
天井のデザインを継承するため落下低減天井が採用された
天井のほかにも屋根や外壁、舞台機構、屋内設備など多岐にわたる改修工事が行われ、キッセイ文化ホールのリニューアルが完了しました。
毎年世界的なイベントを開催し、地域活性化の拠点となる多目的ホールに、耐震天井の技術が生かされています。
<採用工法>
KIRIIアングルクランプ
支持構造部を介して建物の構造体と天井下地材を直接固定することで、「吊らない天井=準構造耐震天井」を構成することができる工法です。
段差・勾配・曲面など複雑な形状に対応した、剛な天井を実現できます。
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新耐震Full Power天井
平成25年国土交通省告示第771号に規定される構造方法及び文部科学省ガイドブックに基づいた設計が可能な工法です。
特定天井対策が必要な室に使用できます。
平・勾配天井のどちらにも対応、屋内プール向けの仕様もご提案します。
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アジャストソエル
支持構造部と野縁を直接接合させる金具です。
吊りボルトを使わない、準構造耐震天井を構成します。
最大15mmのレベル調整機構により精度の高い施工が可能です。
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落下低減天井
ブレース、クリアランスを設置せず、クリップやハンガーを補強することで天井補強対策とすることが可能な工法です。
吊り天井で、天井裏設備との干渉等によりブレースが設置できない場合、空調や音響の関係でクリアランスを設置することができない場合に最適です。
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