生活面のフォローで
長く安心して働ける環境を整備
日本とは異なる言語、風習や価値観をバックグラウンドにもつ外国人材。
来日したばかりのタイミングでは特に、受け入れ側と同様に外国人材側も「壁」を感じてしまうものです。
業務のみならず日本での日常生活に慣れるためのサポートを行うことが、外国人材にとって長く安心して働ける環境を整えることにつながります。
そこで今回は外国人材を受け入れる際に共有しておきたい生活面でのポイントについてご紹介します。
マナーを守って生活を便利に
日本で暮らす際のポイント
■電車の乗り方
外国人材の出身地によっては公共交通が未発達で、徒歩、自転車、バイクが主な移動手段であることも少なくありません。
日本語がまだ不十分な状態で、複雑そうな日本の電車・バスに挑戦するのはなかなか勇気がいることです。
公共交通を使って行動範囲を広げ、余暇時間を有意義に過ごすことで、ワークライフバランスの充実につながります。
[電車の乗り方 ポイント]
・ICカードの買い方、使い方
・乗り換え案内アプリを使ったルートの調べ方
・電車、バスを待つときは列に並ぶ
・車内では携帯電話をマナーモードに設定し、通話は控える
・大きな声で話さない
・車内で飲食しない
・優先席は体の不自由な方や妊婦さん、高齢の方のための席なので、特別な事情がない限り座らないようにする
■自転車のルール
気軽に乗ることができる自転車は最も身近な移動手段の一つですが、日本ではさまざまなルールや法律があります。
周囲の人や自身の安全を守るために、以下のポイントをおさえておきましょう。
[自転車のルール ポイント]
・自転車には「防犯登録」が必要
・信号は必ず守ること
・車の方向に合わせて、車道の左側を走る
・お酒を飲んで自転車に乗ることは禁止
・音楽を聴きながら、携帯電話を使いながらなど、自転車の「ながら運転」は禁止
・自転車は駐輪場に停める
■地震への対策
出身国によってはあまり地震を経験したことのない外国人材もいます。
地震が発生した際にとるべき行動がわからずケガをしてしまう可能性が高いので、きちんと対策しておくことが必要です。
[地震への対策 ポイント]
・逃げ道のために、普段からドアのそばや廊下、階段には物を置かない
・リュックサックにはパスポートと在留カードのコピーを入れておく
・地震が起きたら机やテーブル、クッションなどで頭を守る
・地震の時には止まることがあるのでエレベーターは使わずに階段で避難する
■暑さ・寒さへの対策
外国人材の中には冬を経験したことがなく、本人も気づかないうちに風邪を引いてしまうことがあります。
また常夏の国が出身の方は暑さに慣れていると思われがちですが、湿度の高い日本の夏は勝手が違います。
日本国内でも地域によって気候はさまざまであるため、細かなフォローで体調管理に気を配りましょう。
[暑さ・寒さへの対策]
・料理は常温で放置せず、冷蔵・冷凍保存する
・要冷蔵や賞味期限、消費期限の見方を説明する
・体調不良が3日以上続く場合は、必ず病院を受診する
・冬場の薄着は避け、肌着や防寒具の着用を指導する
犯罪被害やご近所トラブルを防ぐ
共同生活のルール
■ゴミの出し方
ゴミの始末については住んでいる地域によってルールが決まっています。
ご近所の方と良好な関係を築くためにも、細かく説明しておきましょう。
[ゴミの出し方 ポイント]
・可燃ゴミ、不燃ゴミなど、ルールに沿って分別する
・決められた日の朝に、決められた場所にゴミを出す
・道路や空き地にゴミを捨ててはいけない
・大きいゴミ(粗大ゴミ)を捨てるときは申し込みが必要
■騒音
集合住宅には多くの人が暮らしていて、生活時間もさまざまです。
夜遅くや朝早くの時間は特に声も響きやすいので注意しましょう。
[騒音を防ぐマナー]
・大きな声で騒がない
・廊下やベランダでおしゃべりをしない
・大きな音で音楽をかけない
■カギを閉める
身の危険や盗難を防ぐために、カギをかけることを習慣化することがとても大切です。
[施錠のポイント]
・少しの外出でも家の扉や窓の鍵を必ず閉める
・家にいるときもなるべく鍵を閉める
・配達が来た後などは施錠を忘れがちなので特に気をつける
■節電を心がける
電気やエアコン、テレビなど、使っていないときはこまめに消して節電を心がけましょう。
特に外出前にはチェックをし、消し忘れのないようにします。
まとめ お互いに気持ちよく働くための関係を築いていきましょう
来日したばかりの外国人材は新しい仕事を覚えるほかに、慣れない環境のなかで生活を始めています。
ちょっとした手助けが不安を解消し、心の支えになるかもしれません。
『一般財団法人東京都つながり創生財団』のリビングインフォメーションでは、外国人のための生活ガイドを簡単な日本語、英語、中国語、韓国語で紹介しています。
外国人材を受け入れる際に伝えておくべきルール、マナーの参考になります。
出典:『一般財団法人東京都つながり創生財団』https://tabunka.tokyo-tsunagari.or.jp/
生活面のサポートを通じて信頼関係を構築し、みんなが気持ちよく働いていける環境を築いていきましょう。