天井・壁・床の裏側から建物を考える

人手不足解消のカギ 建設業界での外国人材受け入れ

深刻化する建設現場の人手不足を乗り切るためには

人手不足解消のカギ 建設業界での外国人材受け入れ

現在、日本の建設業界では人手不足が問題となっています。


主な理由として下記の3つが挙げられます。
∙ 悪天候で月収が安定しない等、労働条件の悪さにより離職が増えている
∙ いわゆる3K(きつい・汚い・危険)な仕事内容が敬遠され、若年層の入職率が低下
∙ 技術者の高齢化


天井・壁・床の内装仕上げ工事も例外ではありません。
今後より一層深刻化していく人手不足を解消するカギとして、「外国人材」の活躍に注目が集まっています。


そこで今回は建設業界における外国人材の動向についてご紹介します。



外国人材が建設現場で就労するための在留資格とは?


日本には30種類以上の在留資格がありますが、どのような在留資格であれば建設業界で就労できるのでしょうか。

■ 特定技能


2019年4月に新設された在留資格です。
一定の日本語力と技術レベルを有する外国人材を受け入れることで、人手不足に対応していくことを目的としています 。


2019年度、特定技能の外国人数は3,987人で、そのうち建設分野で働いているのは267人でした。


法務省 特定技能在留外国人数の公表 2020年3月末概要版より作成

■ 技能実習生


開発途上国等の人に日本で専門技術を習得してもらい、帰国後にその技術を役立てて母国を発展させるという、国際協力が趣旨の制度です。
したがって人手不足を補う労働力として技能実習制度を利用してはならないとされていますが、現在はこの資格で就労される方の割合が高くなっています。


2019年度に認定を受けた技能実習計画件数は389,321件で、そのうち建設分野で働いているのは71,299人でした。



外国人技能実習機構 平成30年度業務統計 国籍・地域別 職種別  技能実習計画認定件数(構成比)より作成

その他、永住者や日本人の配偶者など身分に基づく在留資格を持つ方や、留学生で資格外活動許可を取得した方などについて、建設業界で就労することが認められています。

特定技能や技能実習によって建設現場で働く人の出身国は?


特定技能や技能実習の在留資格により建設現場で活躍する方々の出身国はどこが多いのでしょうか。


建設分野で働く特定技能の外国人のうち、ベトナム出身の方が75%(200人)、次いで中国出身の方が11%(29人)を占めています。


法務省 特定技能在留外国人数の公表 2020年3月末概要版より作成

また建設分野で働く技能実習生のうち、ベトナム出身の方が63%(45,171人)、次いで中国出身の方が11%(8,088人)となっています。



外国人技能実習機構 平成30年度業務統計 国籍・地域別 職種別  技能実習計画認定件数(構成比)より作成

建設分野で働いている特定技能および技能実習の方々は、ともにベトナム出身の方が多いことがわかります。

現場で受け入れる日本人側に求められることは? 
コミュニケーションへの配慮



2019年に新設された特定技能ビザによって外国人を即戦力として採用することが可能になるなど、今後、建設現場においても外国人の就労はますます増加していくと考えられます。




そこで配慮が必要となることの一つがコミュニケーションです。
いくら事前に日本語を学習しているとはいえ、来日したばかりでは日本語があまり話せない、理解できないと感じる方がいるのは当然です。
うまくコミュニケーションが取れなければ、外国人のみならず現場で受け入れる日本人側もストレスに感じてしまうことでしょう。


建設現場では危険を伴う作業もあるため、わかりやすく簡潔に説明するなどの配慮によってトラブルを未然に防いでいくことが必要不可欠です。

まとめ 建設現場のサポートとなるよう情報発信していきます


今回の記事では、
∙ 建設現場の人手不足解消のため、外国人材の活躍に期待が高まっている
∙ 特定技能や技能実習により建設現場で働く外国人はベトナム国籍の方が多い
ことをご紹介しました。


次回以降、主に内装仕上げ工事の基本的な施工方法や、安全に関する用語等について、ベトナム語を用いた動画や各種資料を公開していきます。


ベトナム人の方との働きやすい建設現場の実現に向けて、コミュニケーションにお役立ていただける情報を発信してきます。


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