そもそもLGSって何?意味と用途について知る
LGSとはLight Gauge Steelの略で、ライト(軽い)、ゲージ(規格)、スチール(鉄骨)を意味しています。
軽量鉄骨、さらに略して軽鉄などとも呼ばれ、どれも内装工事に用いられる材料を指しています。
LGSを使って天井や壁の下地(骨組み)をつくっていくことは「金属工事」に分類されますが、現場などでは「軽天工事」と呼ばれることが多いです。この骨組みの上からボードを張って天井や壁が仕上げられています。
軽量鉄骨はJIS G 3350で規格されています。
現場ではJIS G 3350で規格されているものよりも、さらに軽量である内装下地材が頻繁に使われることから「LGS」として認識されています。
工事する対象が異なる場合、LGSが指しているものが変わる場合もあるため、明確に定義されてはいません。
天井の場合は野縁、野縁受け、壁の場合はスタッド、ランナー、振れ止め等の部材をLGSと呼ぶ場合が多く、C形、[形、角形などの形状や、厚さ、大きさが規格で定められています。
LGSのメリット・デメリット
同じように下地材として使用される材料には木材が挙げられます。
木と比較するとどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
[生産・供給]
○ LGSは工業製品であるため環境変化による変動が少なく、供給が安定している
(木は自然素材のため反りや曲がり、湿気による膨張・縮みによる変形や割れがみられる)
[重量]
○ LGSの方が木材よりも軽く搬入が容易で、建物の床に載る重量が少なくて済む
[施工性]
○ LGSは規格で材料をそろえてシステム的に施工することができ、木材よりも工期が短縮できる
× 木材のように薄い材料を重ねたり、部分的に加工したりすることが難しいため、現場での調整がしにくい
以上の特徴から、一度に多くの部屋を作るマンションなどにはLGSが、木造のリフォームなどで細かな調整が必要な場合には木材が用いられています。
またLGSはコンクリートでつくられた壁に比べて解体が簡単なので、室内のレイアウト変更の可能性がある店舗やオフィスの間仕切り壁にも多く使用されています。
LGSの規格とは?どのように使い分けされているか
LGSの寸法や形状などはJIS規格(日本産業規格)やメーカー基準で、様々な種類のものがあります。
天井と壁に用いられる鋼製下地材(=LGS)のJIS規格はJIS A 6517にて決められており、寸法や板厚、試験方法を定めています。
天井・壁ともに、用途や求められる現場条件により、異なるサイズの部材を使い分ける規定になっています。
■JIS規格品の使い分け・天井の場合
官庁施設などの工事に使用する材料・工法などについての標準的な仕様を示した『公共建築工事標準仕様書』で、部材の使い分けについて決められています。
天井は設置する箇所で分けられており、屋内の場合は19形、屋外の場合は少しサイズ・板厚の大きい25形を使用します。
■JIS規格品の使い分け・壁の場合
壁の場合は主に壁の高さによって使い分けをします。
以下の通り、高さが高いほど使用するスタッドが大きく、分厚い壁になることが分かります。
50形 : 高さ 2.7m以下
65・75形 : 高さ 4.0m以下
90形 : 高さ 4.5m以下
100形 : 高さ 5.0m以下
内装工事に用いられるLGSについてまとめ
LGSを用いた一般的な天井の施工方法は『意外と知らない!一般的な天井の作り方』の動画でご紹介しています。
また壁は仕上材のバリエーションが豊富なため、LGSで下地を組んでから木目調で仕上げたり、タイルを張ったりすることができます。
自由なデザインが楽しめるので、店舗、マンション、オフィスなど多くのシーンで活用されています。
普段私たちが過ごしている空間を、LGSが裏側から支えています。