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「BIM」とは?建設を効率化するシステムの特徴とメリット

そもそもBIMとは何か、用語の意味やCADとの違い、建設現場での活用法などをご紹介します

2022年5月26日
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「BIM」とは?建設を効率化するシステムの特徴とメリット

国土交通省は2023年度までに土木工事において小規模を除くすべての公共工事でBIM/CIMを原則適用する方針を示しています。

以前よりも「BIM」という単語を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。

BIMとは?どんなことができるシステムなのか

 BIMは国土交通省で下記のように定義されています。

BIMとは「Building Information Modelling」の略称で、

"コンピューター上に作成した3次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等、建築物の属性情報を併せ持つ建物情報モデル(BIMモデル)を構築することです。"

出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/gobuild/gobuild_tk6_000094.html

設計から施⼯、維持管理に⾄るまでの建築ライフサイクルのあらゆる⼯程でBIMモデルを活⽤することで、建築⽣産や維持管理を効率的に行うことができます。

同じくCIMという言葉があります。

CIMとはConstruction Information Modeling / Management(コンストラクション インフォメーション モデリング/マネジメント)の略称です。

BIMの概念を建築だけでなく土木工事でも活用しようと、2012年にCIMが国交省から提言され、2018年から「BIM/CIM」と併記されるようになりました。

同じ立体が描けるのでは?3DCADとの違い

設計や図面の作図に使われるソフトウェアが「CAD」、なかでも立体を描く機能を備えたものが「3DCAD」です。

3DCADは平面で設計した後に、それを立体にすることが多く、修正を行う場合には関連する平面の図面を全て修正する場合があります。

一方、BIMは最初から立体で設計するので、修正を行う場合にも一部を修正すれば、関連する部分が自動で反映され、平面の図面も出力することができます。

先述の通りBIMは形状とともにデータを含んでいるため、各部を組み合わせることで形が可視化されるだけでなく、データを積み上げることができます。一方、CADは形状のみを表示することができます。

CADは平面を組立て立体を作る

BIMはブロックのようにパーツを組み合わせて形を作る

BIMでできること 4つのメリット

メリット1. イメージの共有が簡単に

いままではCADで平面の図面を設計し、3Dモデルや模型を作成していました。

しかし、BIMは設計と3Dモデルの作成が同時に行われるため、早い段階でイメージを確認することができます。

また、図面を見慣れていない人でも、立体で表現されている情報を見ることができるので、イメージを共有しやすくなります。

メリット2. 建設現場で必要な情報がひとつに集約

CADでは作図のみ行い、そこから部材を拾い、見積書を作成するなどの工程を踏まなくてはいけませんでした。

BIMには形以外の「情報」が入っているため、メーカーや品番、価格なども確認することができ、資材管理や積算などにも活用することができます。

メリット3. 図面などの管理が簡単に

BIMは一つのモデルを構成するすべてのデータが連動しています。

そのためどこかの情報を修正すると平面図や断面図、その他の見積書など関係するすべてのデータが自動で修正されます。

メリット4.さまざまなシミュレーションを行える

BIMでは3Dモデルをシミュレーションプログラムで解析することができます。

日照などの解析や照明のシミュレーションが、設計初期段階に行えるため、早い段階で不具合の修正を行うことができます

BIMデータはどこで入手できる? 無料ダウンロード方法

実際にBIMデータはどのように入手すればいいのでしょうか。

建材メーカーのサイトや、建築建材総合検索サイトなどで公開されています。

天井・壁・床用の鋼製下地材メーカーである㈱桐井製作所のコーポレートサイトでは、会員登録不要で以下の4項目のBIMデータを無料ダウンロードすることが可能です。

・天井用部材

・壁用部材

・耐震天井用部材

・システム天井用部材

Revitバージョン2020にて作成されたBIMデータを活用できます。

▼㈱桐井製作所コーポレートサイト

資料ダウンロード > BIMデータ一覧

まとめ
今後に向けてBIMの活用を検討しましょう

BIMについて3DCADとの違いや、メリットをご紹介しました。

工事の内容を問わず、今後は建設業界全体で欠かせないものになっていきます。

ぜひ便利なツールの一つとして、活用を検討してみてはいかがでしょうか。


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