みなさん、「天井」と聞いて頭に思い浮かべるものは何ですか?
「また体育館の天井にボールが挟まっている...」
「天井画が美しい教会」
「天井席でもいいからライブに行きたい!」
など、思い出やイメージは人それぞれです。
普段何気なく目にしている天井ですが、その裏側を見たことがある方は少ないのではないでしょうか。
今回はそんな天井の役割や構造についてイラスト付きでご紹介します。
そもそも天井って必要?どんな役割があるの?
天井には次のような役割があります。
■ ホコリやチリを防ぐ
屋根裏は、柱や梁が複雑に入り組んでいて、手が届きにくい高さでもあるため、ホコリやチリがたまりやすい場所です。
天井にはホコリやチリがそのまま部屋に降ってくるのを防ぐ役割があります。
■ 温度・湿度の調整
天井が高いとあたたかい空気が上に逃げてしまい、下の冷たい空気と混ざりにくくなるため、冷暖房の効率が悪くなってしまいます。
反対に天井が低いと空気が自然に循環しにくくなり、熱や湿気がこもりがちになります。
部屋の用途等に応じて適切な高さの天井を設けることで、温度や湿度を効率よく調整することができます。
■ 防音
天井には天井裏の空間と居室空間を隔てることで、天井裏や上の階の音を防ぐ役割があります。
近年、住宅やオフィスの改修で空間を広く見せるために天井を取り払った結果、上の階の生活音が響くようになってしまったというケースがよくきかれます。
防音材の入った天井材を用いることでさらに音を防ぐ効果を高めることができ、騒音によるストレスの解消につながります。
このほかにも設計や仕上げ材の選定次第で、明るさの調整や防臭・消臭効果など、天井は快適な空間をつくるために必要な役割を担っています。
天井の構造は「直天井」と「吊り天井」の2種類!
天井の構造には大きく分けて「直天井」と「吊り天井」の2種類があります。
■ 直天井とは?そのメリット・デメリットについて知る
直天井とは、屋根裏や上の階の床裏にあたる部分に直接、天井材を張ったり塗ったりして仕上げる天井のことをいいます。
[直天井のメリット]
・天井の高さを出来る限り確保し開放的な空間を演出できる
・地震発生時に天井材が落下してくる心配がない
[直天井のデメリット]
・天井裏の空間がなくなるため、照明器具や空調機器などが顕になったり、防音効果が低くなったりする
・空間が大きくなるので冷暖房の効率が悪くなる
・防音効果が低くなる
・既存の天井を撤去することで、建築基準法の排煙窓が不足する可能性がある
■ 吊り天井とは?そのメリット・デメリットについて知る
吊り天井とは、下図のように屋根裏など建物の構造体にあたる部分から吊り材を用いて格子状の枠(下地材)を吊り下げ、その表面に天井ボードを取り付けて仕上げる天井のことをいいます。
[吊り天井のメリット]
・天井裏にスペースができるため、水回りや空調、照明などの設備を納めやすい
・電気配線を通しやすく、機器の位置を変えやすい
・防音効果を付けることができる
・屋根裏からのホコリ・チリを防ぐ
[吊り天井のデメリット]
・天井高が下がるため、人によっては圧迫感を感じる場合がある
・耐震対策をしていないと地震発生時に天井の崩落の危険性がある
天井の役割と構造についてまとめ
天井の役割と、天井の主な構造である「直天井」と「吊り天井」についてご紹介しました。日本では木造の住宅から鉄骨造のオフィスビルまで、多くの建物で吊り天井が一般的に採用されています。
一般的な吊り天井については「意外と知らない!一般的な天井のつくり方」の動画でもご紹介していますので、ぜひご覧ください。